皆さん年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか? お待たせしました。Standart Japan第11号のリリースです🎉
「多様性」がテーマの今号。日頃さまざまなメディアで見かけるこの言葉に、どこか使い古されたイメージを抱いている人も多いかもしれません。でもそれは、多様性のある側面にだけ光があたっているからなのかも。いつものようにコーヒーというレンズを通して世界を見てみれば、今まで気づかなかった視点を発見できるかもしれませんよ!
COFFEEチャプター
研究対象「コーヒー」
昔は薬としても飲用されていたというコーヒー。その効用や人体におよぼす影響については、現在でもさまざまな研究が行われています。さらに科学の枠を越え、経済学や歴史学、社会学の文脈でもコーヒーは人気の研究対象として扱われています。研究者を惹きつけてやまないコーヒーのアカデミックな魅力とは?
スリランカ
昔の国名を冠した「セイロンティー」で有名なスリランカに、初めてコーヒーが持ち込まれたのは16世紀と言われています。その後しばらくしてイギリスの植民地となった同国ではコーヒー生産が最盛期を迎えますが、さび病の影響によりコーヒー産業は瀕死状態となり、お茶がコーヒーに取って代わことになります。それからさらに100年が経過し、現在復活の道を歩もうとしているスリランカのコーヒーの今に迫ります。
バリスタへの期待
サプライチェーン内で消費者と一番近い位置にいるバリスタには、価格危機の問題について仲間と議論し、消費者に情報を共有する役割が期待されているというChad Trewickさん。この問題に積極的に取り組む人たちはどんなきっかけから、どのような活動をスタートさせたのか実例を見ながら、私たちがもっとコーヒーを楽しむためにできることを考えてみましょう。
平等志向のコーヒー
性役割は国や文化によってさまざまな表情を見せます。だからこそ、あるグループの中にいる人にとっては「普通」なことも、グループ外の人からみれば信じられないことのように映るのです。生産地でそんな状況をいくつも見てきたKnrad Britsさんが、実体験をもとに、なぜ彼がビジネスの視点からも男女平等が大切だと考えるのかを語ってくれました。
PEOPLEチャプター
Meet Your Barista
静岡県静岡市にあるIFNi ROASTING & CO. オーナーの松葉 正和さんのインタビュー。エジプトでの長期滞在中、大型焙煎所でアルバイトを始めたことをきっかけにコーヒーの世界に入った彼は、正解のないところがコーヒーの魅力だと言います。彼がこの考えに至った背景や、現在力を入れているWANTOKプロジェクトについてお話を伺いました。
取るべき行動のかたち
どんな人でも潜在的な偏見を抱えているという研究結果があるように、私たちは知らず知らずのうちに誰かを傷つけたり、傷ついている人に救い手のを差し伸べ損ねたりしてしまうことがあります。カフェという場ではどのような偏見が蔓延しているのか、そしてそれに対して私たちはどんな行動をとるべきなのか、一緒に考えていきましょう。
ボスでいるということ
10代の頃プロボクサーとして活躍したLEAVES COFFEE代表の石井 康雄さんが、怪我でボクシングの道を諦めてから今の仕事を始めるに至った背景、さらには喜びを分かち合う同士であるスタッフの方々と目指す、「沈まない船」の造り方についてお話を伺いました。
Meet Your Stockist
今号では「日本のエーゲ海」とも呼ばれる絶景で有名な岡山県の牛窓町にある「山の上のロースタリ」をご紹介。
他視点と多視点
丹野篤史さんによるフォトエッセイ。コーヒーを眺めるうちに浮かび上がる情景、コーヒー以外のものを眺めるうちに浮かび上がるコーヒー。これらのイメージには観察者のパーソナリティとしての「視点」が関係しているのかもしれません。
WORLDチャプター
Meet Your Guest
体験型の作品を全国で展開する、食の現代アーティストEAT&ART TAROさんのインタビュー。イベントと体験型アートの違い、アートを通して生まれるもの、栄養補給以外の「食」の意味など幅広いテーマについて語ってもらいました。
『コーヒーと日本人の文化誌』 のその後
『コーヒーと日本人の文化誌』の著者でMerry Whiteさんによる、日本でのコーヒー旅の回想録。同書の発行から6年近くが経ち、現在の日本のコーヒーシーンを知るために2019年に日本を再訪した彼女。アメリカ出身の文化人類学者の目から見た、新しい日本のコーヒーのかたちとアメリカ企業がそこに与える影響について。
オリジンストーリー
La Cosechaというツアーに参加し、パナマの農園に滞在したBen Wurgaftさんのルポタージュ。詳細な描写を読み進めオリジントリップの雰囲気を味わいながら、農家の方々にとっては新たな収益源になりえるこのツアーが意味するものについて考えてみましょう。
オースティン
今号のシティプロファイルは、8年連続で全米第1位の成長率を記録したテキサス州の州都オースティンに注目。有名アーティストを何人も輩出し、最近ではテック業界が盛り上がりを見せるなどクリエイティビティ溢れるこの都市で、コーヒーはどんな変化を遂げてきたのでしょうか。
SPONSOR&PARTNERS
今号のメインスポンサーは、ニュージーランド発の「Allpress Espresso」。特集記事では、創業者・オーナーMichael Allpressさんの日本旅の様子を追いながら、同社のカルチャーや30年もの間第一線でコーヒーに携わってきた彼の経営哲学についてご紹介します。
さらに2020年もWBCオフィシャルパートナーを務めるVictoria Arduino、SCAJのコーヒービレッジ内で実機を使った焙煎セミナーを行ってくれたProbat、焙煎士だけでなくバリスタを含むプロ向けのExpertサービスがスタートしたPanasonic The Roast、そしてカフェやベーカリーをインテリア提案やレシピ制作でサポートするAngelo47の4社がStandart第11号のパートナーを務めてくれました。ありがとうございます!
サンプルコーヒー
第11号のサンプルコーヒーは、香港からAMBER coffee breweryがコロンビアのコーヒーを届けてくれます。2014年と2015年に開催された香港バリスタコンペティションで優勝、世界バリスタコンペティション2015では4位に入賞したバリスタDawn Chan氏が手掛けるコーヒーショップです。お楽しみに!