Meet Our Partners: IKAWA

Meet Our Partners: IKAWA

2013年に彗星のごとく現れた世界初のデジタルマイクロ焙煎機IKAWA サンプルロースター。Kickstarterのキャンペーンでは目標額の倍近い資金を調達し、今では世界70か国以上の焙煎士やバリスタ、さらには生産者やトレーナーに愛されています。

そしてIKAWAの日本総代理店を務める株式会社ディーシーエスStandart Japan10号をサポートしてくれました! 同社についての詳しい情報、そしてコーヒー業界において生豆商社が果たす役割については、Standart Japan8号の「生産地と消費地を繋ぐ情熱の架け橋」をチェックしてみてください🙌 今回のMeet Our Partnersでは、ディーシーエスの辻本さんにIKAWAや焙煎工程について伺いました。

 

ずばり、辻本さんから見たIKAWA サンプルロースターの魅力はどんなところですか?

焙煎プロファイルの再現性と効率よく焙煎できる点だと思います。

自分で思い描くプロファイルをデータとして打ち込めば、自動的にサンプルロースターが焙煎してくれますし、そのあいだに他の仕事をすることもできます。そういう意味でIKAWA サンプルロースターは、本当に今の時代のニーズに合った商品だと思います。

ロースターさんには、ぜひプロファイルの検証に使っていただき、「これは無茶かな?」と思うものを含め、幅広いプロファイルを試していただきたいですね。

 

焙煎というカテゴリーでいうと、ディーシーエスでは熱風式焙煎機のLoringや焙煎ソフトのcropsterなどを取り扱われていますが、IKAWA サンプルロースターの販売にいたった経緯を教えていただけますか?

これまでLoringの輸入販売を行ってきたこともあり、焙煎機を取扱うビジネス的なメリット、そして難しさは以前から理解していました。むしろ知っていたからこそ、IKAWAの話が持ちあがったときには、取扱いを決定するまでに多くの時間を割いて慎重に検討しました。

まず海外を含めた複数の展示会でIKAWAを見かけ、その存在とポテンシャルは充分に知っていましたが、では日本市場においてサンプルロースターが市場を広げ、新たな顧客層にリーチできるのだろうか、という不安も感じていました。

そんなとき、サンプルロースター本体を携えたIKAWABenさん(同社のManaging Director)から「話をする時間を作って欲しい」と言われ、機能と実務性についてのプレゼンを受けました。

できるだけ手間をかけず、データを効率的に管理でき、高い再現性を実現する、というのはどの国のコーヒープロフェッショナルも目指すところだと思います。そしてディーシーエスもこの必要性を強く感じていました。そんなときにBenさんの説明を聞いて、これは自分たちが目指す方向と合致する製品だと再認識し、その後いくつかの条件交渉を経て取扱いをスタートしました。

機能面だけではなく、今まで市場になかったタイプの製品を生み出した、彼らのものづくりに対する素晴らしい精神と、終わりのない発案力にも感銘を受け、会社そのものとして尊敬の念を抱いたことも取扱いを決めた理由です。

 

 

実際にはどういう風にサンプルロースターを使われる方が多いんですか?

基本的には名前の通りサンプルローストのために購入される方が中心ですが、実はこれで焙煎した豆を販売されたり、ドリップ用に使われたりする方も多いです。稀にマニアックな方がご自宅用に買われる、というケースもあります。

お客様のレビューはかなり良いですよ。手軽に焙煎ができ、なおかつ世界の有名なロースターさんのプロファイルをそのままダウンロードして使える、という点も高評価をいただいております。あとは50g60gしか焙煎できないというところが、用途によってはネックになるというお言葉もいただいていますね。

電動のコーヒー器具は海外製だと電圧が気になるという方もいますが、ディーシーエスでは100Vのモデルのみ取り扱っています。特に200Vのモデルと使い勝手や機能面での違いはなく、パワーもあり遜色なく使えますよ。

 

写真はIKAWAユーザーのLeaves Coffee Roasters 石井康雄さん


 

—Loringは最近製造が追いつかないほど人気という話を聞きますが、なぜ熱風式の焙煎機に最近人気が集まっているんでしょうか?

クリーンなフレーバーを求める方が増えてきているのが背景にあると思います。

昔に比べると、日本でも高品質な生豆が手に入るようになったので、素材の良さを最大限活かしたいという声をよく聞きます。そうすると「クリーンさ」がとても重要になるので、直下式や反熱風式に比べてクリーンなフレーバーが出しやすい熱風式が人気になっているんだと思います。

 

ちなみに、辻本さんは以前グアテマラに住まれていたときにプロのカッパー(コーヒーの官能評価を行う専門職)のもとで修業されていたそうですが、そこで焙煎にも挑戦されたんですか?

トライしたことはありますが、当時は本当に感覚的にやっていたので正直まったく身につかず、いつもはてなマークを頭に浮かべながら焙煎していました。でもIKAWAに出会ってからは、今までボヤッと感覚で捉えていたものが数値化できるようになったので、検証がとてもやりやすくなったんです。ものすごく宣伝っぽい話ですが、本当ですよ(笑)。

また、海外のロースターや知り合いのプロファイルもシェア機能を使って参照できるので、それを確認しながら自分のプロファイルをアップデートするというのもとても勉強になっています。

特に私たちのように生豆の卸業をしている場合、サンプルローストが失敗するといい生豆もだめにしてしまい本当の魅力を伝えられないので、思ったように焙煎できるというのは非常に重要な点なんです。

ただ嬉しい誤算として、サンプルの焙煎がうまくいきすぎて「あの味を再現できない」というコメントをいただくこともあります。でもそんなときは、弊社のサンプルのプロファイルを送って参考にしてもらっています。

 

 

辻本さん、ありがとうございました!

IKAWA サンプルロースターでの焙煎は非常に面白く、様々なプロファイルの検証に使える上、生豆に合わせてアプローチを自由に変えられます。ロースターたちの遊び心をくすぐるIKAWAを是非一度使って焙煎してみてください!