今回からはじまるMeet Our Partnersでは、普段紙面でお伝えしきれないパートナー企業の皆さんをご紹介します。
Standartを読んでくださった方から、「雑誌っぽくない!」という反応をいただくことがあります。よくお話を聞いてみると、(字の多さもさることながら)掲載される広告のデザインもその背景にあるようなんです。
Standartでは、広告もコンテンツの一部として読者の皆さんに楽しんでいただけるよう、写真やデザインの統一感を大事にしています。でもそれは私たちのわがままを聞いてくださるパートナー企業の皆さんの懐の大きさがあってこそ!
記念すべき第一回は、Standart Japan Issue 1から継続的にサポートしてくださっているトーエイ工業株式会社で代表取締役社長を務められている畝岡達哉さんにお話をうかがいました。(下写真の中央右)
トーエイ工業株式会社は、業務用厨房機器の輸入販売やサポートサービスを提供する日本企業。コーヒー関連機器としては、毎号紙面に掲載されているVictoria Arduino社製のBlack Eagleをはじめ、Nuova Simonelliグループのマシンを扱っています。
――畝岡さん、こんにちは! Victoria Arduinoとトーエイ工業の出会いについて教えてください。
こんにちは。2001年にNuova Simonelli(以下「シモネリ」)がVictoria Arduino(以下「ヴィクトリア」)を買収して、その1年後にトーエイ工業はシモネリとディストリビューター契約を結びました。
それから事務所に超イタリアンな担当者がやって来て、マシンの紹介をしてくれたんですが、初めてVenus Barを見たときは、その美しさに感動しました。
早速デモ機を手に入れ、ホテルやレストラン系の展示会で、Venus Barを使ってオペレーションしていました。
Victoria Arduino社製Venus Bar
ヴィクトリアブランドは、いちど弊社の手を離れた時期もありましたが、2012年にシモネリ・ヴィクトリア両ブランドの正規代理店としてエクスクルーシブな契約を結び直しています。
――なぜ彼らをパートナーとして選んだんですか?
パートナーとして選んでくれたのはシモネリの方なんです。
彼らと契約を結ぶ前には、弊社のコンベアー式オーブンを使用していただいているファミリーレストランチェーンのドリンクバーで、イタリアから直接輸入されたフルオートマシンが使用されていました。
お客様からはオーブンのメンテナンスサポートに高い評価をいただき、コーヒーマシンのメンテナンスもいっしょにやって欲しいと要請がありました。正直言うと、オーブンを全店舗へ展開していただきたく、シモネリのメンテナンス業務を引き受けたというのがきっかけです。
その後、シモネリからもメンテナンスと技術力を評価され、せっかく機械を覚えたのだから、販売もするようオファーを受けました。エスプレッソコーヒーについて勉強するようになったのはそれからです。
シモネリ社は、年に3回も4回も来日しては、マシンとエスプレッソコーヒーについて熱く研修してくれました。
――シモネリグループは、ヴィクトリアとしてWBC(ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ)のオフィシャルスポンサーを務め、トーエイ工業さんもJBC(ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップ)のマシンスポンサーを務められていますが、その意義や理由について教えてください。
シモネリ社がWBCのオフィシャルスポンサーになっていなかったら、トーエイ工業もJBCのマシンスポンサーになっていませんでした。正直、以前はバリスタチャンピオンシップも知りませんでした。
競技会は、シモネリにとってもトーエイにとっても、世界中のトップバリスタと繋がるきっかけになります。さらにシモネリはそこから得たフィードバックをもとに、次世代のマシンの開発へとつなげているんです。
なにより、大会に向けてテストキッチンに練習に来るバリスタの皆さんにおいしいコーヒーを飲ませてもらえるのも魅力ですね。
WBCの会場に練習用として配備されていた特別仕様のBlack Eagle
――Standartとの出会いについても教えていただけますか?
Standartを目にしたのは、シモネリのマーケティング担当者から送られてきた見本誌が最初でした。第一印象は、素敵な紙質や雰囲気ですかね。
――Standart Japanの創刊号からサポートしてくださっている理由を教えてください。
最初に目にした英語版を気に入っていたので、日本版を制作するという話を聞いたときに何かの形で関われないかと考えたのがきっかけです。
お店もそうですが、立ち上げから知っていると、その分愛着も沸くし、応援しています。
(ここからは畝岡さんに少し個人的なお話を聞いてみました)
――これまでの経歴を簡単に教えていただけますか?
1975年東京生まれ、幼稚園はカトリック。中・高は学習院。立正大学経営学部卒業後、アメリカのメイン州へ語学留学、オハイオ州にある取引先メーカーで修行、2001年帰国してトーエイ工業に入社。海外渉外とマーケティングを担当、2016年4月から社長になりました。
――好きなオリジンはどちらですか?
ぼくは自分のことをバカ舌だと思っています。先日も未抽出と過抽出もわからなくて。人に言わせれば、おいしければ全部飲んでるし、好きじゃなければ残してるそうです。
最近で印象に残ってるのは、秋田で頂いたブラジルのカケンジと、西麻布で頂いた“肉祭りコーヒー”もブラジルでした。暑くなってきたのでまた恵比寿でバナナシュートの季節です。
――その他に記憶に残っているコーヒーはありますか?
1週間アメリカ出張の後、イタリアのポンペイ遺跡でひっさしぶりに飲んだエスプレッソですかね!
それと、イタリアのリミニで行われたWBCのとき、スペインかどこかの選手が負けてしまって、シモネリのブースでみんなにコーヒーを振舞ってくれて、それもよく覚えています。
――コーヒー業界で仕事をしていなければ何をしていたと思いますか?
まだうちが何屋だか知らない頃から大人になったらトーエイ工業に入ると思っていたので、他の選択肢はありません。強いて言うなら、クルマと新幹線が好きですね。
――最後に、最近のホットな話題を教えてください!
昨年、hostショウで発表されたシモネリのAurelia Wave、ヴィクトリアのMythos IIのリリースイベントを企画しています。
今回もニューモデルの開発の裏では、産学協同による様々な研究が進められていました。研究の内容や結果といっしょに皆様に伝えられたら良いと考えています。
――畝岡さん、ありがとうございました!