#5: Are we ready?

#5: Are we ready?

おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?

先週末に、東京にあるコーヒーショップ KOFFEE MAMEYAが販売するコーヒー豆を友人からいただいたのですが、パッケージの中に入っていた2cm四方の小さいジップロックに驚かされました。その中にはグラインドされたコーヒー豆が入っていて、自分で抽出するときに目安となる挽き目が一眼でわかるようになっていたんです。

コーヒーを淹れるときに何よりも気にかけないといけないと言われることもある挽き目ですが、その割に「中挽き」「細挽き」「グラニュー糖とザラメの中間」といった言葉で表現されるのが一般的で、なかなか具体的なサイズをイメージできないこともしばしば。しかし百聞は一見に如かずとはまさにこのこと。視覚的な情報の説得力に改めて気づかされると同時に、商品を準備する際の手間が想像でき、おもてなしのひとつの形として感銘を受けました。こういったちょっとした気遣いが、ホスピタリティの質を高めてくれますね。(プロモーションじゃないですよ!)

今週のStandart Japanは、いよいよ、最新号(#13)の全国発送をスタート。すでにお手元に届いている方も多いのではないでしょうか。SNSを通じていろんな方がStandartの到着を喜んでくれているのを見るのが、私たちの1番の楽しみかもしれません。雑誌を作るということは読んでくれる人がいるということで、読者の手に渡るまでが雑誌を出版するということなのだと思います。

家のポストに届いたStandartからの小包をワクワクしながら開けて、雑誌を手に持ってページをめくる。そんな「形としてそこにあるモノ」としての紙媒体の魅力をより多くの人たちに味わってもらいたいものです。

Toshi & Atsushi

 

This Week in Coffee 
世界のコーヒーニュース

ウィズコロナ時代のカッピングプロトコル
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、スペシャルティコーヒー協会(SCA)は3月にカッピングプロトコル(カッピングの手順)を改定しました。以前との大きな違いは、スプーンから直接コーヒーを口に運ぶのではなく、一旦コーヒーをショットグラスに移してから味をみるという点。その実践編として、南アフリカのRed Band Barista Academyでトレイナーを務めるShaun Aupiaisさんが考案したクレバードリッパーを使ったカッピングプロトコルがPerfect Daily Grindで紹介されています。彼のプロトコルでは、30gのコーヒーと500mlのお湯を使ってクレバードリッパーで一気にコーヒーを抽出して(クラスト・ブレイク時はドリッパーから直接香りを確認)、そこからテイスティングのために各カップに液体を分けるというもの。こうすることで感染のリスクを抑えながら、同じ条件で抽出したサンプルを試せるという仕組みです。

RTD市場、次の一手は缶入りコーヒーカクテル
ここ数年、アメリカを中心にRTD(Ready to Drink:缶やボトルに入った飲料商品)コーヒー人気に火がつき、コカコーラなどの大手飲料企業から、セブンイレブンのような小売企業、さらにはStumptownをはじめとするスペシャルティコーヒー企業まで、さまざまなプライヤーがRTD市場に参入しています。自宅で働く人が増加し、現在家庭でのコーヒー消費量が増えつつあることから、手間がかからず味の安定したRTDは今後さらに広がっていくという予想も。そんなRTD市場における新たな一手として、コーヒーリキュールブランドとしてよく知られるKahlúaが、コールドブリューとラム酒を使った缶入りのコーヒーカクテルをローンチしました。日本では昔から缶やペットボトル、パックに入ったコーヒーが親しまれていますが、ブルーボトルが自社専用のコーヒー自販機を設置するなど新しい動きも見られており、今後さらにバラエティが増えていくかもしれません。

 

その他の気になるニュース

 

  • リユーザブルカップを使っても新型コロナの感染が広がる可能性は低い、という声明をイギリスの環境団体City to Seaが、19か国115人の専門家の署名と共に発表しました。
  • 今もなお強制労働や児童労働が残るブラジルのコーヒー業界を変えるべくGlobal Coffee Platformが4年間におよぶ取り組みを開始すると発表しました。(このニュースを日本語でnoteの記事にまとめられている方もいます)
  • 先月初めてオンラインで開催されたコーヒーシンポジウムRe:coのまとめがBarista Magazineに掲載されています()。農家の持続可能性やサプライチェーンのさらなる透明化、人種問題など、人にフォーカスしたテーマが目立ちます。
  • 今年のフィリピン・バリスタ・チャンピオンシップにおいて、地元で生産されたコーヒーを使ったAdrian Vocalanさんが優勝を勝ち取ったことを受け、同国のコーヒーに対する見方が変わりつつあります
  • ニューヨークのZero Carbon Coffeeが、コーヒー企業として初じめて「クライメートニュートラル認証」を取得しました。この認証は、二酸化炭素等排出量を測定のうえ排出量に見合った炭素クレジットを購入し、削減プランを策定した企業に与えられるもの(詳しくはこちら)。

      

     

    What We're Drinking
    今週のコーヒー

     

    Q.O.L. COFFEE
    世界中から厳選した世界基準のスペシャルティコーヒーを仕入れ、豆のポテンシャルを見極め、個性を最大限に活かす焙煎がモットー。日常的に美味しいコーヒーを気軽に楽しめるようなライフスタイル提案をすることで、お客さんの『衣・食・住』の向上を目指している。

    農園:Karatsu Estate
    生産国:タンザニア
    地域アルーシャ州カラトゥ地区
    品種:Bourbon、N39、Kent
    精製方法:Fully Washed
    テイスティングノート:口に含むとストーンフルーツや熟したコーヒーチェリーの甘さが広がり、次々と変化する味わいが楽しくアフターテイストにはピーチティーやカシスのような爽やかな余韻が感じられます。
    Standartの感想:最後に飲んだのがいつか覚えてないくらい久しぶりのタンザニア産コーヒー。甘い桃のような香りがあるなと思った途端、フワッとコンテチーズのようなアロマも。テイスティングノート通りコロコロと表情が変わるコーヒーで、ふと昔家の前にあったイクリの木の実を思い出しました。どこか懐かしい味で染みました。

     


    Inspiration
    おすすめの本、映画、音楽、アート

    🎂 ハイパーリアリスティックケーキ - RED ROSE CAKE & TUBA GEÇKİLInstagram
    視覚や聴覚への刺激によって、心地良い、脳がゾワゾワするといった反応や感覚を与えてくれるASMR動画。Youtubeなどでじわじわとその人気が出てきているジャンルですが、トルコのケーキ&シュガー・アーティストである「RED ROSE CAKE & TUBA GEÇKİL」が、いろんなものを完成度が高すぎるケーキで再現して、それをナイフで切っていく動画もそのひとつ。ケーキだとわかりつつもナイフをいれる瞬間に驚き、ある種のむかつきと少しの恐怖心がわき起こりつつも、最後はやっぱケーキかぁとニヤッとさせられる感覚がたまりません。ネットでもケーキ・ジョークなども生まれて拡散されているらしく、老若男女を楽しませるに充分な汎用性があって、特定の政治的見解やメッセージを含まないところに魅力を感じている人が多いのだとか。(Toshi

    🎹 Dilation - GrandbrothersSpotifyApple MusicGoogle Play
    ドイツ・デュッセルドルフ発、ミュージシャンとエンジニアからなるエクスペリメンタルデュオGrandbrothers。最大の特徴はグランドピアノのさまざまな要素を使って生み出される、馴染みがありながらも新しいサウンド。ピアノの弦にはメンバーのLukas Vogelが開発したプログラムで動作するハンマーが取り付けられており、さらに相方のジャズミュージシャンErol Sarpが奏でる音の一部はソフトウェアを通じてフィードバックされ、楽曲に新たな彩りを加えます。グランドピアノという長い歴史を持つ楽器であっても新しい角度からアプローチすることで、ここまで多様かつ新鮮な音を表現できるのか、と驚かずにはいられません。おすすめは中盤にくる「Arctica」「Rotor」「Ezra Was Right」の3曲。(Atsushi


    Brewing with…
    あの人のコーヒーレシピ 

    安田直樹 aka Nathan
    オーストラリア、デンマーク、ドバイ生活を経て、地元の東京都台東区にて2020年夏、変わった喫茶店を開業プロデュース。「食文化」を撮る、発信する映像会社を設立準備中。

    セットアップ
    抽出器具:ハリオ浸透式ドリッパースイッチ
    豆量:10g
    湯量:160ml (豆とお湯の比率1:16)
    挽き目:中挽き
    湯温:90℃以上
    抽出時間:約3分

    手順
    • 挽いた豆をドリッパーに入れます。
    • 使うお湯の総量を約30秒かけて注ぎ切ります。
    • 2分〜2分30秒あたりで浮いている粉を撹拌します
    • ドリッパーのスイッチを押して抽出します。
      ポイント
      お家で入れる際は、必ず天然水などの良いお水を使いましょう!

       
      皆さんはどんなときにWeekend Brewを読んでいますか? クラリネット奏者のまつりさんはコーヒー片手にゆっくり楽しんでくれています。週末に限らず、お仕事の休憩中や移動中などスキマ時間に読んでくれている方もいるよう。
       

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      Standart Japan