おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?
先週からスタートしたThe Weekend Brewですが、多くの皆さんから反響をいただきとっても嬉しいです。ありがとうございます! Issue1を見逃したよという方は、アーカイブをチェックしてみてください。
先週から続く記録的な豪雨の影響で、熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で甚大な被害が出ています。コーヒーショップでも残念ながら被害にあってしまったお店もあります。新型コロナウイルスの感染を予防しながらの復旧活動は人手不足で長期化する恐れもあるとのこと。毎年のように豪雨がどこかで発生していますが、地球規模での環境に対する考えを深め、災害などの有事の際にコーヒーを通じて何ができるのかを考える機会なのかもしれません。被災地の1日も早い復興を心から願っています。
今週のStandart Japanは、夏号(#13)のリリース準備もいよいよ大詰め。皆さんに早くお知らせできるよう進めています。そして秋号の制作作業にも取り掛かかりました。1冊の雑誌のコンテンツを決めるまでには多くの時間を費やします。全体としてのまとまりや、記事一つ一つの個性や意図を見極めて。制作スケジュールを立てていく重要なステップなので気が抜けません。考えてる自分たちが最高に楽しんでる時間なんですけどね!
雑誌ができるまでの時間の流れも、こうしてリアルタイムで皆さんと共有していけると良いなと思います。
Team Standart Japan
This Week in Coffee
世界のコーヒーニュース
コーヒー器具という名のチャンスをすべての人に。Getchusomegearが1周年
コーヒー業界で周縁化(marginalised)されてしまっている有色人種やLGBTQコミュニティの人々に無料でコーヒー器具を贈るプロジェクト「Getchusomegear」が1周年をむかえました。人種やジェンダーは貧困率や失業率に影響を及ぼすという調査もあるほどで、コーヒーのスキルを磨きたくても必要な器具を買えない人のために同プロジェクトはスタート。これまでに9万ドル(約96万円)ものコーヒー器具を無料で希望者に贈呈してきました。今年の2月にローンチされたGoFundMeキャンペーンでは無事に目標額を達成し、非営利団体としての登録を行いながら、就職支援や教育サービスの開発にも取り組んでいます(日本でもこのような活動をしている方がいればぜひ教えてください!)。ちなみに、先月アメリカの最高裁はLGBTQの人々に対する職場での差別を違法とする判決を下しました。
九州豪雨被害者支援コーヒー
広島県の自家焙煎コーヒー豆専門店「MOUNT COFFEE」は、九州全域で被害が発生している豪雨の被害者を支援するための「九州豪雨支援コーヒー・No.5 All The Day」を発売。寄付金は、自治体やNPOなどを通じて被害者支援に使われる予定です。
その他の気になるニュース
- COVID-19の拡散とそれによるリモートワークの普及によって、2011年以降初めてコーヒーの消費量が減少するとの見通し。
- ドイツJacobs University Bremenでは、コーヒー豆を焙煎するときにはがれるチャフ(シルバースキン)から消毒剤を作り出す研究が進行中。
- コロンビアのCoffee for Peaceが8月にバーチャル買い付けイベントを実施予定。西部のカウカ、バジェ・デル・カウカから計4つの生産者団体が参加する見込み。
- 世界的なパンデミックにより死と向き合う人が増え、コーヒーやケーキを食べながら死について語り合う「デスカフェ」が人気。オンラインや日本で開催されるものも。
- 79%もの消費者がサスティナビリティを消費判断の基準のひとつにしているという調査結果が発表されました。ビジネスモデルそのもののサステイナビリティがますます重要になってきています。
- 「ラテのミルクは培養牛乳で」なんて声がカフェで聞こえてくる日も近いかも。組織培養技術を使って乳製品を生成するシンガポールのスタートアップTurtle Tree Labsが約3.4億円の資金を調達。
What We're Drinking
今週のコーヒー
2013年台湾、台北にて設立した自家焙煎スペシャルティーコーヒー専門店。台北に2店舗、京都四条に1店舗を展開している。まだ世界が台湾産阿里山コーヒーの可能性に気づいていなかった頃から現地の農園主と共に切磋琢磨し、品質や認知度の向上に尽力してきた台湾を代表するロースター。台湾の農家と持続的な関係を築き、現地の魅力を発信している。
農園:Yirba Muda農園生産国:エチオピア
地域:オロミア州 グジ アナソラ地区
品種:ウシュウシュ
精製方法:アナエロビック・ナチュラル製法
テイスティングノート:キュウイやパッションフルーツのような非常に鮮やかなアロマが鼻を抜け、口に入れた瞬間ベリーや花のような甘さが出て、アフターにはラムやモルトのような強い複雑さも生まれます。
Standartの感想:
ベトナム産カカオのフルーティなBean to Barクラフトチョコやローズヒップティーが好きな人はドンピシャ。パッケージのデザインがイケてて◎。
Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート
🎥 Views of Tokyo, Japan, 1913-1915 - Denis Shiryaev, DGSpitzer (動画)
白黒・セピアおよび単色の映像に色をつけるデジタルの着色技術で、1910~1920年代の映像を復元したもの。東京以外にもニューヨーク、北京、アムステルダムといった都市の映像もあって、タイムマシーンに乗って過去の世界を訪れた感覚に。色はフェイクですが、色があるだけでとても新鮮に感じられます。ビデオカメラを物珍しそうに見つめる人たちはすでにこの世には(おそらく)おらず、彼ら彼女らがどんな人生を歩んだのか考えずにはいられません。ちなみに、白黒映画は白黒でみたい派です。(Toshi)
📸 Virtual Street Photography (①|②|③)
写真の世界には、街や人の様子をそのまま切り取るストリートフォトグラフィーというジャンルが存在します。写真家としては、アンリ・カルティエ・ブレッソンやロバート・フランク、日本では木村伊兵衛や森山大道などが有名どころとして名前がよく挙がります。外に出て、今そこにしか存在しない瞬間を切り取るというこの表現方法ですが、最近それをバーチャルの世界、具体的にはゲーム内で行う「バーチャルストリートフォトグラフィー」に注目が集まっています。以前からゲーム内にスクリーンショット機能が備えられているものがあり、ゲーマーの間ではよく画像がやりとりされていましたが、COVID-19で自宅待機を余儀なくされた写真家たちもその魅力に気づき始めたようなんです。写真としての魅力はもちろん、ゲームというある種の表現の中で新たな表現が生まれるという構造が面白い。(Atsushi)
Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ
針生 実歩 aka みそスープ東京の GLITCH COFFEE & ROASTERS および GLITCH COFFEE BREWED 9h の店頭に立つバリスタ。最近ハマっているのは、 観葉植物集めと可能な限りエシカルな消費行動を目指すことと、その勉強!
セットアップ:
抽出器具:KINTO for 2 cups
豆量:16.5g
湯量:260ml
挽き目:中細挽き
湯温:90度
抽出時間: 2:30以内
手順:
- 〜0:10 70ml
- 0:30〜 140ml (210ml total)
- 1:20〜 50ml (260ml total)
▷ 抽出のポイント
お湯は細くゆっくり、液面から注ぎ口が離れすぎないように注ぐ。1投目は小さなスプーンで3回攪拌、2投目はまんべんなく回し入れ、3投目では全ての成分を余すことなく出したいためそーっと素早く土手を崩す。
▷ みそスープのひとこと
色んなレシピやセオリーは決してイコール正しい答えではありません。生産者が手塩にかけて育てた作物を最終的に飲み物にするのは、バリスタや消費者など抽出を担う人たちです。それぞれの焙煎にあった抽出を考え、愉しんでコーヒーを飲むことが大切だと思います。ぜひ、GLITCHのお豆で試してみてください!!!!!
今週の The Weekend Brew はいかがでしたか?
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Standart Japan